HOME > [活動紹介]活動方針 > <別添1>退職者連合統一要求
<別添1>

2017年度退職者連合統一要求(7月14日総会決定)

2017年度政策・制度要求

日本退職者連合

1. 持続可能な社会保障制度について

(1) 「人間の安全保障」が完備された社会に向けて
  社会の安全と安心、一人ひとりの尊厳を基盤に、誰もが必要なときに必要な支援を受けることのできる社会、「人間の安全保障」が完備した社会を作ること。
(2) 改革は関係者の合意と機能強化重視で
  社会保障の改革は関係者とりわけ被保険者・受益者の意見反映と合意を重視し、機能強化の観点から進めること。
(3) 社会保障関係費抑制の数値目標の撤廃を
  骨太方針2015による社会保障関係費抑制の数値目標を撤廃すること。

2. 社会保障教育の推進について

  「社会保障教育推進に関する検討会」報告をもとに、厚生労働省と文部科学省が連携して正しい社会保障理解を進める教育を体系的に推進すること。

3. 雇用・労働法制について

  社会保障の基盤である良質な雇用の安定・拡大とともに労働分配率の向上を図ること。労働者派遣法を第189国会改定前に復元するとともに、手当てなし残業を内容とする労働基準法改定案を撤回すること。また、金銭解雇を可能にする法案の検討をやめること。

4. 被用者保険の確実な適用と対象拡大について

  国として、適用基準を満たす労働者を洩れなく被用者保険に適用させるとともに、短時間労働者への被用者保険の適用拡大について2019年を待たず前倒しで見直し、速やかにかつ抜本的に拡大すること。また、必要に応じて「僅少労働年金」を参考にした制度を導入すること。

5. 年金制度について

(1) マクロ経済スライド調整の在り方
  マクロ経済スライド制度による年金額調整の在り方について、現受給者の年金を守るとともに将来の年金受給世代が貧困に陥らない年金額水準を確保できることを重視して、退職者連合と誠実に協議すること。
また、基礎年金はマクロ経済スライドの対象外とすること。
(2) 基礎年金拠出期間延長等にかかる選択幅の拡大
① 年金受給者の選択権を前提に、基礎年金拠出期間を延長すること
② 在職老齢年金は就労による労働参加率向上を促すようあり方を検討すること。
(3) 公的年金積立金の管理・運用
① 被保険者の利益のための運用
  公的年金積立金の運用については、専ら被保険者の利益のため運用すること。
② 被保険者代表参加による合議機関の整備
  運用方針の検討・決定については被保険者代表が過半数参加する合議機関でその同意を得て行うこと。また、合議機関の委員はインサイダーとなる業界構成員を除外するとともに、退任後も一定期間回転ドア型の業界再就職を制限すること。
③ 公的年金積立金の株式投資比率の拡大撤回
  政府が日銀の金融緩和と一体でGPIFに強要した株式投資比率拡大方針を撤回すること。
④ 社会的責任投資の推進
  株式運用投資では、国連が呼びかけた「責任投資」を推進すること。

6. 地域包括ケアシステムについて

(1) 選択可能な統合された医療・介護ケアシステムの確立
① 2018年に医療計画・介護保険事業計画・診療報酬と介護報酬改定・国保財政運営主体の都道府県化が同時に策定・実施される。この機会を活かし「地域医療介護総合確保基金」を計画的に活用して在宅生活基盤を整備し、利用者の必要性と選択を満たす切れ目のない医療・介護のネットワークを確立すること。基金の活用計画策定・執行に当たっては透明性を重視し、市民・関係団体の参画を図ること。
② 介護保険の一部3割負担導入をはじめ、医療・介護両制度の違いを無視した横並びの負担増・給付抑制を実施しないこと。
(2) サービス提供体制の整備
  街づくりと一体で、入院・通院、入所・通所、訪問の最適形態で、診療・看護・リハビリテーション・介護のサービスを提供する基盤を整備し、サービス提供者の連携を実現すること。また、地域包括支援センターの機能強化を図ること。
(3) 人材の育成・確保と財政基盤の整備
  地域包括ケアシステム確立のために不可欠な人材を育成・確保すること、そのための財政基盤を整備すること。
(4) 関係者間の合意形成を基本に速やかな推進
  地方自治体・事業者・市民と協議し、合意形成を図りながら確実かつ速やかに推進すること。

7. 医療制度について

(1) 高齢者医療制度
  高齢者医療制度改革会議の最終とりまとめに基づき、後期高齢者医療制度に代わる新たな制度を作ること。「75歳以上の医療費定率負担2割化」「所得に加え金融資産等を算定基礎とした患者負担」を実施しないこと。
(2) 公的皆保険の堅持
① 公的国民皆保険を堅持すること。皆保険の崩壊につながる「混合診療」を拡大しないこと。
② 皆保険を破壊し、医療費の増大を招く「医療の産業化」を排除すること。
(3) 新しい国民健康保険制度
  財政運営主体の都道府県化をはじめとする新しい国保制度について、被保険者の理解と納得を得て円滑に施行すること。
(4) 強制によらない制度運用
  医療に関する制度運用にあたっては、目安・情報の提供と協議による選択を重視し、基準・要件による強制を持ち込まないこと。
① 健康診査および保健指導実施状況による後期高齢者支援金の加減算をやめること。
② 保険料の傾斜設定、社会保険を民間保険化することにつながる、個人に対する健康予防インセンティブを名目とする実質的な保険料軽減やヘルスケアポイント付与を廃止すること。

8. 介護保険制度について

(1) 介護の社会化と被介護者の権利保障
  介護保険制度を名実ともに介護の社会化を実現する制度とすること。このため被介護者の権利保障とともに家族等の介護者に対する支援を体系的に整備すること。
(2) 認知症対策基本法の制定と社会的損賠制度の検討
① 認知症対策基本法を制定するとともに、事業計画を整備し確実に実施すること。
② 認知症高齢者に起因する損害について、発生を防止する社会的な施策を整えるとともに、家族に過剰な賠償責任を負わせない方策を検討すること。
(3) 在宅生活支援サービス基盤の整備・拡充
  高齢者が地域・在宅で暮らし続けるために、在宅生活を支えるサービス基盤の整備・拡充を図ること。
① 介護保険と相互補完する位置づけで老人福祉法による施策を再整備・充実して生活支援・健康増進を図り、中軽度者の重度化を防止すること。
② 予防訪問介護・予防通所介護について、新総合事業への移行を撤回し、従来の予防給付に戻すとともに、要介護1、2の新総合事業への移行工程表を撤回すること。新総合事業移行に関連して示した「基本チェックリスト」を要介護認定申請前段に位置付ける方針は申請権の侵害になるので撤回すること。
③ 軽度者を含めた必要な介護給付を確保すること。
④ 生活援助サービス・福祉用具貸与等を自己負担化しないこと。
⑤ 地域包括支援センターの機能を強化するために保険者責任を明確にし、基幹となる地域包括支援センターを直営で設置し、センター間の役割分担や連携の強化を図るとともに、その人員体制の強化を図ること。センターの過大な負荷となっている要支援者への介護予防支援業務を軽減する方策を講じること。
(4) 高齢者が安心して暮らせる居住の場の整備
① 特別養護老人ホームの整備・拡充を図るとともに、個室・ユニット型居室の整備等の居住環境の改善を図ること。多床室の入居者負担を増額しないこと。
② 低所得・要介護(要援護)高齢者が安心して暮らせる居住の場を確保するため、養護老人ホームの機能強化と職員配置基準を改善するとともに、量的な整備・拡充を図ること。また一般財源化以降顕著になった市町村の養護老人ホームへの「措置控え」傾向を改善するために、養護老人ホームの財政基盤の強化を図ること。
③ 地域・在宅生活を支援する小規模多機能型居宅介護を拡充し、報酬基準を改善すること。
④ 貧困ビジネス化が危惧されている「未届有料老人ホーム」「無料低額宿泊施設」、「宿泊付デイサービス」や「長期ショートステイ」「サ高住」等について正確に設置・運営実態を調査し、利用者の権利擁護のための法的整備を行うこと。
(5) 介護事業労働者の処遇改善とその検証
  従事者の処遇を改善するために、15年報酬改定での加算の効果検証に基づき、介護報酬(処遇改善加算・サービス提供体制強化加算)を改善し、加算が確実に従事者に分配される方策を講ずること。このため、事業者ごとの人件費比率の公開を求めるとともに労働法令違反を一掃すること。「介護離職ゼロ」を実現する前提として「介護職員離職ゼロ」になる処遇改善を実施すること。
(6) 被保険者の加入拡大
  介護保険の被保険者を医療保険加入者に拡大すること。
(7) 利用者負担を増やさないこと
  能力に応じて保険料を負担し、必要に応じて公平に給付を受けるという介護保険の原理にもとる「所得に応じた自己負担割合設定」は撤回すること。利用者負担の算定基礎に資産を含めないこと。
(8) 国交付金
  介護保険に関する国負担分国の25%は全額を保険者に交付し、地域間調整に充てる調整交付金は別枠で財源措置すること。「自立支援・重度化防止」の名目で、交付金を用いて要介護認定・ケアプラン等を通じた給付抑制を誘導しないこと。
(9) 介護報酬改定
  2018年の介護報酬改定にあたっては、中重度・施設支援偏重に陥ることなく、介護予防・自立支援に資する改定とすること。要介護1、2の総合事業化を先取りして生活援助サービスに関する職員基準・報酬を切り下げないこと。
(10)企画・運営への労使代表、高齢者団体の参画
  介護保険の制度検討やその運営にあたっては、被保険者・保険料を拠出する労使の代表が参画し決定する体制を確立すること。市町村介護事業計画の策定や地域包括支援センターの運営等に関して被保険者・高齢者団体の参画・意見反映を一層推進すること。

9. 貧困・低所得者対策について

(1) 生活保護基準を切り下げないこと
  2013年8月、2014年4月、2015年4月に切り下げた生活保護基準を復元すること。受給者の生活を直撃する再切り下げをしないこと。
(2) 自立支援法は権利保障前提に実効ある運営を
  生活困窮者自立支援法について、当事者の権利保障のため自治体と協力して、確実な事業実施を図ること。

10. 地域公共交通の充実について

  交通政策基本法の趣旨を踏まえ、高齢者や障害者の生活に必要な移動手段確保を社会保障の一環に位置付け、地域公共交通を充実・整備すること。

(1) 国・自治体が一体となった取り組みを進めること
  交通政策基本計画に基づき、実質的な移動権の保障のため実効性のある施策を確立し、国・自治体が一体となって積極的に取り組むこと。このため、交通従事者代表(労働組合)の意見を十分聴くなど、現場の実態に即した具体策を策定し、まちづくりと一体となった地域公共交通活性化・再生整備施策を推進すること。あわせてそのための所要の財源を確保すること。
(2) 交通事業者に対する安全対策の徹底を
  貸切りツアーバス等の重大事故により公共交通の重要な使命である安全・安心が揺らいでいる。交通事業者に対する監査体制や指導の強化など安全対策の徹底をはかるとともに、この間の交通分野の規制緩和が安全に与えた影響について検証すること。また、過労運転防止策の確立、法令違反に対する罰則規定の強化など、事故の根絶と安全輸送体制確立にむけた抜本的な方策を構ずること。

11. 「マイナンバー」と社会保障個人会計について

(1) 個人情報保護のもと厳格な運用を
  マイナンバーについては、厳格な個人情報保護の下、市民合意が得られた範囲での利用とすること。ナンバーを悪用した個人情報への侵入・改竄・なりすまし犯罪を防止するために万全を期すること。
(2) 社会保障の個人会計とは遮断した運用に
  マイナンバーは個人の特定にのみ使用し、「社会保障の負担と給付に関する個人会計」とは将来に亘って完全に遮断すること。マイナンバーを悪用して医療保険・介護保険の利用者一部負担根拠に金融資産を付加しないこと。

12. 審議会等への参画について

  当事者主権、社会保障制度の民主的運営のため、退職者連合の推薦する者を社会保障審議会等の委員に選任すること。

13. 税制について

(1) 個人所得税
①  年金課税
 年金課税について、年金生活者の生活保障を大前提に、社会化された扶養であるという年金所得の社会的性格、及び応能負担原則を踏まえた一貫性ある税制とすること。
(2)  法人税
  企業の社会的責任を無視した法人税減税をしないこと。
(3) 復興特別税
① 東日本大震災からの復興・再生を着実に推進すること。
② 復興特別税について、国の特別会計による事業計画の全貌と執行状況、自治体の事業実績を示すこと。

14. エネルギー政策について

(1) 早期完全事故処理と原因の究明・情報開示
  汚染水対策を含め福島原発事故の早期収束を図り、事故原因の徹底検証と情報開示を進めること。
(2) 原子力エネルギーに依存しない社会に向けて
  原子力エネルギーに代わるエネルギー源の確保、再生可能エネルギーの積極推進および省エネの推進を前提として、最終的には原子力エネルギーに依存しない社会を目指すこと。

15. 積雪・灯油福祉料について

  積雪寒冷地の年金生活者に「積雪・灯油福祉料」等を支給できるよう自治体に対する財政措置を講ずること。

16. カジノ賭博合法化について

  賭博を公認・推進することを内容として可決された「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」は、賭博による市民の生活破壊および反社会的勢力による施設内外の支配をもたらす。これを廃止するとともに、実施法は提案しないこと。
 

17. 奨学金制度の改革について

  高等教育における給付型奨学金を抜本的に拡充・導入すること。また、2008年社会保障国民会議で検討課題とされた「年金積立金を活用する奨学金」の考え方を含めて、無利子奨学金拡充、有利子奨学金廃止について検討すること。

18. 不招請勧誘・販売に対する規制強化について

  高齢者や初期認知症患者などに、特に被害をもたらしている不招請勧誘・販売に対する法的規制を強化すること。そのため、第190通常国会で成立した特定商取引法に「事前拒否者への勧誘禁止」を明記すること。

以  上

対自治体要求指針

<地域包括ケアシステム・介護保険>(主として市区町村への要求)

1. 選択可能な統合された医療・介護ケア、地域包括ケアシステムの推進

(1) 利用者の必要性と選択を満たす、医療・介護の切れ目のないネットワーク=地域包括ケアシステムを推進すること。
(2) 地域包括ケアシステムと整合する、適切な介護保険事業計画を策定すること。また、都道府県と連携し、医療計画および地域医療構想の策定・執行に積極的に関与すること。
  これらの計画・構想策定過程に市民・関係団体の参画を図ること。
(3) 街づくりと一体で、入院・通院、入所・通所、訪問の最適形態で、診療・看護・リハビリテーション・介護のサービス提供基盤を整備すること。
(4) 地域包括ケアネットワーク作りに資する「医療・介護総合確保基金(医療分及び介護分)」の活用計画・執行状況を明らかにすること。
(5) 地域包括支援センターの機能強化を図るため、直営による基幹型センターを設置し、医療・介護・住宅・福祉などの施策連携による総合的な支援機能を強化すること。

2. 介護保険

(1) 予防給付の新総合事業への移行
① 予防訪問介護・予防通所介護の新総合事業への移行を拙速に進めず、従来のサービス水準を確保するための基盤整備を図ること。また、市民・利用者に対して新総合事業について十分な説明を行うとともに、利用者の合意を得ること。
② 制度改正を理由とした、サービス内容の変更や切り捨て、利用料の引上げを行わないこと。
③ 要介護認定にあたっては、現状の要介護認定システムを基本とし、認定申請時の基本チェックリストの強要やサービスの振り分けを行わないこと。
(2) 認知症施策の拡充
① 新オレンジプランの基本理念「認知症の人が住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けることができる社会の実現をめざす」を踏まえ、地域のなかで認知症の人とその家族を支える「見守り・声掛け・相談・支援」の仕組み作りを推進すること。
② 医療介護連携による認知症の早期診断・早期対応の体制整備を図ること。
(3) 安心して暮らすことのできる居住の場の整備
① 特別養護老人ホームの整備・拡充を図るとともに、個室・ユニット型居室の整備等の居住環境の改善を図ること。
② 低所得・要介護(要援護)高齢者が安心して暮らせる場を確保するため、養護老人ホームの施設整備と機能強化、職員配置を改善すること。また、「一般財源化」以降顕著になった「措置控え」によって「定員割れ」を生じている養護老人ホームについて、利用者の必要性に対応する適正な入所措置を行うこと。
③ 有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅等における高齢者の権利保障のため都道府県と連携し、虐待防止や防災の観点から実態の把握と必要な指導を行うこと。また、貧困ビジネス化が危惧されている「未届有料老人ホーム」「無料低額宿泊施設」、「宿泊付デイサービス」や「長期ショートステイ」等について正確に設置・運営実態を調査し、利用者の権利擁護のため必要な指導・助言を行うこと。
④ 地域在宅生活を支援する小規模多機能型居宅介護施設の拡充を図ること。
(4) 介護労働者の処遇改善と人材確保
① 15年度改正の介護報酬処遇改善加算の実施状況を把握・分析するとともに、次期改定では実質的な処遇改善を実現すること。
② 介護職場における労働法令違反を根絶するため、労働行政と連携し雇用条件・環境の点検・改善の取り組みを強めること。
(5) 新設される国交付金
  新設が予定されている自立支援・重度化防止インセンティブのための国交付金の目的が、給付抑制促進である場合はこれに同調せず、利用者の権利擁護の立場で対処すること。
(6) 介護保険事業に対する被保険者・市民参画の促進
  介護保険事業計画や総合確保基金の活用計画等、各種事業計画策定にあたっては、介護保険の被保険者・保険料を拠出する労使代表等の市民参画体制を確立すること。
(7) 国への働きかけ
  介護保険について、都道府県・市区町村が協力して次の諸点を国に働きかけること。
① 介護保険費用の国負担分25%のうち、現在調整交付金に充てている5%は国で別財源を措置し、25%全額を保険者に交付すること。
② 15年制度改正で実施されつつある、予防訪問介護・予防通所介護の新総合事業への移行を撤回し、予防給付に戻すこと。「基本チェックリスト」を要介護認定申請前段に位置づける方針は、申請権の侵害につながるので撤回すること。要介護1、2を新総合事業に移行しないこと。
③ 経済財政諮問会議等で提起されている「要介護1、2の通所事業を総合事業へ移行」「生活援助サービス等の自己負担化」「介護保険の自己負担割合増」「利用者負担の算定基礎に資産を付加」を実施しないこと。
④ 認知症高齢者に起因する損害について、発生を防止する社会的な施策を整えるとともに、家族に過剰な賠償責任を負わせない方策を検討すること。
⑤ 1億総活躍社会・50万人分の施設整備」は、入所施設増設に偏ることなく、地域・在宅生活を支える基盤整備を重視すること。
⑥ [介護離職ゼロ」を実現する前提として「介護職員離職ゼロ」になる介護関係労働者の抜本的処遇改善を図ること。
⑦ 介護報酬改定について、中重度・施設支援偏重に陥ることなく、介護予防・自立支援に資する改定とすること。

<医療制度>(都道府県・市区町村要求)

(1)  新しい国保制度
  財政運営主体の都道府県化をはじめとする新しい国保制度について、被保険者の理解と納得を得て円滑に施行すること。
(2)  医療計画
  市民参画のもと透明性をもって、患者の権利と超高齢社会への適応を両立させる計画を策定すること。
(3)  国への働きかけ
  医療制度について、都道府県・市区町村が協力して次の諸点を国に働きかけること。
① [75歳以上の医療費定率負担2割化」「所得に加え資産を算定基礎とした患者負担」を実施しないこと。
② 皆保険を破壊し、医療費の増大を招く「医療の産業化」を排除すること。

<地域公共交通の充実>(都道府県・市区町村要求)

(1)  高齢者や障害者の外出機会の保障とまちの活性化のため、地域公共交通を整備・再編成すること。
(2)  「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」、「交通政策基本計画」に基づき、交通事業者、公安委員会、道路管理者、利用者や労働組合等の代表による協議会を設置し、「地域公共交通網形成計画」の策定やそれに基づく「地域公共交通再編実施計画」を策定すること。これらの計画とまちづくり計画を一体化して、持続可能な地域公共交通ネットワークサービスを形成するため、主体的に創意工夫して取り組むこと。
(3)  利用者利便の向上のためバリアフリー化とシームレス化を実現すること。このため、警察、交通事業者等と連携して、諸施設のバリアフリー化を進めるとともに、路面整備、乗り継ぎの円滑化をはかるため交通結節点を整備すること。

以  上