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2016年度運動方針

1. 情勢と運動の基本目標

(1) 2014年末に実施された唐突な解散総選挙は、史上最低の52.66%の投票率のもと、与党が議席の68.6%を占める結果となりました。議席数のみに着目して「与党圧勝」と伝えるメディアもありましたが、自民党の比例区得票は有権者に対して16%にすぎず、得票数自体も過去に比して減少しています。それにもかかわらず、政権は信任を得たとして、自民党が野党時代の2012年7月に決定した「国家安全保障基本法」を工程表にして極めて反動的かつ好戦的な政治姿勢で暴走しています。既に実施段階に入った「特定秘密保護法」、「国家安全保障基本計画と国家安全保障会議」、「武器輸出三原則廃止と防衛装備移転三原則への転換」に続き、14年7月の集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更閣議決定を経て15年5月第189国会に戦争諸法制を提案しました。広範な市民は、米軍の下働きで地球上のどこへでも行って戦争するための違憲の法案に反対して立ち上がり、かつてない運動を展開しましたが、政権は6月24日までの会期を9月27日まで延長して、9月19日に参議院で強行可決しました。
 この法律の実質的内容は、それに先立って行政責任で改定された日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を後追いするもので、日本国憲法は無視され、日米安保条約さえも黙殺・素通りする手法がまかり通っています。私たちは憲法第9条を踏みにじり「アメリカに従属して戦争する国」への転換に反対し続けます。

(2) メディアの相当部分が安倍政権と自民党による牽制・威圧に迎合して政権広報機関になり下がっている現状では、私たち市民が自分の頭で考え、自分の行動で政権にNOを突き付けることでしか平和と民主主義を実現できません。沖縄では知事選に続き14年末の総選挙で辺野古米軍基地建設に反対する候補が全小選挙区で勝利しました。また、大阪市では15年5月の住民投票で安倍政権と気脈を通じる橋下市長グループが主導する大阪市解体論を退けました。全国でこれに続き沖縄と大阪で切り開いた道を広げ、政権交代をめざす実践が求められています。

(3) 「グローバリズム」のもとでは、ファンドに支配される無国籍企業は、短期的利益と出資者への配当のみを追求し、そこに社会性や中長期的企業発展の概念は存在しません。グローバリズム経済協定を結んだ諸国では強欲資本主義によって国民経済、社会保障や産業が破壊され、貧困と格差が拡大してきました。安倍政権がグローバル化を旗印にして進めようとしているTPP加入、金融市場のカジノ化、法人税減税、手当なし残業ルール・生涯派遣、混合診療拡大策動などは市民生活を犠牲にし、社会保障の基盤である国民経済を劣化させます。
 TPPについては、15年10月5日に交渉参加12か国の閣僚会合が5年半の交渉を経て大筋合意したと公表、全ての署名国が国内法の手続きを終了した後60日で協定が発効するとされています。秘密交渉で国民は内容を知らされないまま「合意」された協定が一人歩きすることは許せません。
 強欲資本主義から国民生活を守る政策を実現する政権が不可欠です。

(4) 「人権無視の偏狭な民族主義的国家主義」は戦前日本の主導的イデオロギーでした。自民党の改憲案と国家安全保障基本法案は、基本的人権の否定・国家への服従強制、平和主義の否定を内容としています。安倍氏とその周辺は戦前の植民地支配・侵略戦争を正当化し敗戦後の東京裁判と戦後レジームを否定したがっています。他方で安倍政権は卑屈な買弁としてアメリカ政府に従属するという矛盾した二面性を持っています。
 安倍政権が進めてきたアメリカの下働きで戦争する国に転換する政策は、社会保障と相いれないものです。この国内抑圧・アジア蔑視・対米屈従の政治に対して、私たちは歴史を正視して教訓化し、世界市民の連帯による平和、国民が自国のルールを民主的に決めるという在り方に転換することを求めます。この立場から一連の戦争法制をはじめとする戦争に向けたあらゆる政策に反対して現退一致の取り組みを強化します。

(5) 東日本大震災による福島原発事故は、原発の「安全神話」が虚構だったことを大きな犠牲を伴って示しました。しかし安倍政権は再度原発依存強化のエネルギー政策を策定して、福島原発の過酷事故とその被害者を全く無視し、原子力規制委員の差し替えまでして原子力ムラの復元を進めようとしています。私たちはこれを許さず原子力発電に依存しないエネルギー政策を要求します。また、原発の新設、危険な技術・装置の海外への拡散に反対し、休止した炉は再稼動せず廃炉とすることを求めます。とりわけ多くの国民の反対を押し切って再稼働を強行した川内原発の即時停止・廃炉を求めます。

(6) 健全な民主社会は、市民が主権者として主体的に行動することを基盤としています。各国で先人は困難な闘いの末普通選挙の権利を勝ち取ってきました。下落し続ける投票率は、市民の政治への信頼の喪失を表しておりこの状態が続けば民主社会は崩壊します。戦後日本で市民運動・労働運動が真の独立・民主主義を実現するだけの力を発揮できてこなかった反省にたって主体的力量を高めるために力をつくします。
 また、再分配社会・民主的社会をめざす綱領的立場を持ち、高齢者や勤労者・生活者を基盤とした政権担当能力を持つ政党が不可欠です。そのような政治勢力が形成されるよう自治労・退職者連合と連携して努力します。

(7) 私たちは憲法第25条の理念を実現する積極的社会保障、公共サービスの充実、格差解消、公正な税制、東日本大震災の復旧・復興を求めます。新自由主義が作り出した格差社会・排除型社会を改め、社会的連帯・包摂型社会をめざします。「政・官・業癒着、中央集権官治政治システム」に対して真の地域自治実現をめざします。積極的社会保障により健全な経済成長をめざします。社会保障の取り組みにあたっては、会員の利益のみにとどめず規約第2条改正の理念(退職者及び高齢者に係る社会福祉の向上及び推進)をふまえて取り組みを進めます。
 これらを実現する運動の一環として2016年の参議院選挙で江崎孝候補をはじめ、私たちの基本目標に沿う政党・候補者の勝利に全力で取り組みます。

(8) 高齢化の進行にともない従来以上に高齢者が当事者として社会の運営に参画することが不可欠になっています。私たちは連合・自治労と現退一致のもとに日本退職者連合(退職者連合)・地方公務員退職者協議会(地公退)と連携してこの役割を果します。これを通して退職者会が親睦・同好・互助の役割と合わせて社会参画・政治政策共闘を強めていくようつとめます。また、私たちの発言力は会に結集している組織力に比例します。新組織の結成・新たな退職者の高率加入を軸に組織の拡充・強化に取り組みます。