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2016年度動方針

4. 平和と人権を守り、市民が主人公の社会作りをめざします


(1) 平和・主権在民・基本的人権を定めた憲法理念を守り、憲法第25条の遵守を求めると共に、憲法第9条・第96条をはじめ現憲法の全面改悪をめざす自民党改憲案に反対します。立憲主義を全面的に否定した集団的自衛権行使と集団的安全保障行動を容認する解釈の撤回を求めるとともに、アメリカの下働きで戦争するための戦争法制をはじめとする「戦争に向けたあらゆる政策」に反対して現退一致で運動に取り組みます。

(2) 「国家安全保障基本法」を工程表にした「特定秘密保護法」、「国家安全保障基本計画と国家安全保障会議」、「武器輸出三原則廃止と防衛装備移転三原則への転換」の廃止・撤回を求めます。また、通信傍受法対象拡大、共謀罪新設に反対します。

(3) 沖縄をはじめ全国の米軍基地・自衛隊基地による市民生活・環境破壊を許さず、軍事基地の撤去・縮小を求めます。あわせて駐留米軍人等による国民の基本的人権の侵害を許している日米地位協定の抜本改定を要求します。この一環として「伊達判決を生かす会」との連携・協力を進めます。

(4) 沖縄の自治を尊重し、沖縄差別政策を直ちにやめることを求めます。14年の沖縄知事選挙および総選挙で完全勝利した「オール沖縄」運動に連帯するとともに、その教訓を全国で生かすべく取り組みます。

(5) 世界一危険と言われる普天間基地の速やかな撤去を求めるとともに、県民の84%が反対する名護市辺野古の新基地建設に反対し、危険なオスプレイの訓練・常駐に反対し速やかな撤去を求めます。また、佐賀空港を米軍と共同使用する自衛隊へのオスプレイ導入、横田基地配備に反対し、国内全域からのオスプレイの撤去を求めます。

(6) 戦前や戦中・戦後の体験を語り伝えること、平和・核兵器廃絶をめざす行動を担う次の世代を支援することに取り組みます。

(7) これらの運動を推進するため、地公退を通じて組織加入した「フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)」「戦争をさせない1000人委員会」「辺野古基金」「沖縄意見広告運動」などと連携して取り組みます。あわせて、各地域組織ではそれぞれの方針に基づき可能な範囲で地域の平和運動組織等との連携を図ります。また、自治労と協力して活動しているアジア地域こどもの支援組織「NPOエファジャパン」の活動を支援します。

(8) 市民が主人公の社会を作るため、政府・議員に任せる政治ではなく地域・国政に市民が発言・参画することをめざします。

(9) 政・官・業癒着、中央集権官治政治システムから、地域自治・市民主権の政治への変革のため、中央・地方政府を通じて公務員を市民との協働者に変革しながら地域自治社会の実現をめざします。

(10) 公共サービス基本法・基本条例を活かし、現役と協力して質の高い公共サービスをめざします。不当な公務員攻撃、労組敵視に対して現役と共に反撃します。
(11) 2016年の参議院選挙に全力で取り組みます。選挙活動にあたっては、江崎孝候補をはじめとする要求・政策の一致する候補者・政党を支援し、現退一致の原則の下にそれぞれのレベルで自治労とともに運動を進めます。


<平和・人権の動向と情勢>

① 自民党は、平和主義の否定、主権在民と基本的人権の否定、市民が国家権力を縛る憲法機能を逆転させ国家への服従強制、などを内容とする改憲案を公表しました。この内の改正発議要件を議員の3分の2から2分の1にするため第96条改定を先行させようとしましたが、国内外の反発で一旦中断し、そのかわりに麻生氏が言うところのナチに学ぶ手法で、憲法を有名無実化する法律の制定や行政による解釈改憲方針に転じました。内閣法制局長官の首をすげ替えたうえで、14年7月に「集団的自衛権の行使」容認を閣議決定しました。これは「特定秘密保護法制定」「国家安全保障基本計画決定と国家安全保障会議設置」「武器輸出三原則廃止と防衛装備移転三原則への転換」などとともに、「国家安全保障基本法案」のシナリオに沿った暴走です。そのうえで15年9月、遂に違憲の戦争法制を強行可決しました。
 また、第一次安倍政権で教育基本法を改悪したことに続き、今次政権では教育委員会制度に関する「地方教育行政法」を改定し右翼的教科書採択を推進しながら教育の統制を強めつつ、靖国参拝など、矢継ぎ早に戦前回帰・戦争をする国への転換を図っています。憲法問題は安倍政権の下で正面の争いに変わり、憲法の理念を堅持する取り組みは正念場を迎えています。
② 戦後の日本政府は米軍の世界戦略に無条件で従い、米軍が必要とする場所に、必要とする期間、自由に日本の法の及ばない基地と空域・海域、軍人・軍属を置くことを受け入れてきました。このことにより日本の主権、市民生活は傷つけられ、とりわけ沖縄は集中的被害を受け続けてきました。日本は国際常識に反する現状を改め、アジア諸国との協力強化を軸に平和・共生の自主的な世界戦略を持って率直な外交を展開すべきです。この立場から、在日米軍基地を全面的に再検討し撤去縮小するとともに他国に例を見ない、日本の主権と市民の権利を無視した日米地位協定は廃棄するか少なくとも速やかに改定すべきです。また、普天間基地へ配備されているオスプレイを含む米軍機は、日本の航空法の適用を受けることなく国内全域で低空飛行しています。沖縄県民の運動を孤立させず全国で飛行反対・撤去要求に立ち上がる必要があります。
③ 安倍内閣のもと、偏狭な民族主義的国家主義・時代錯誤の戦前回帰の政治潮流が活性化し、雑多な「新党」がその主張を共有・増幅する傾向にあり警戒が必要です。また、地方議会・裁判所が一体になって推進する「日の丸・君が代」の教育現場への強制や大阪市における労組敵視条例制定など思想信条の自由のための行動が必要になっています。大阪市民が住民投票で大阪市解体を葬ったことは、大阪における大きな意味に加えて、橋下抱き込みを目論んだ安倍政権の意図をくじいたことで全国的な意義をも持ちました。
④ 不当な公務員攻撃キャンペーンが続けられています。これに対しては事実による反論とあわせて市民の信頼を獲得する公共サービス改善の取り組みが不可欠です。退職者が在職中に蓄積した力とネットワークを用いて街づくり・公共サービス改善などの地域活動を展開することは現役支援にもつながります。自治研活動との連携を含め、可能なことから取り組むことが求められています。
⑤ これらの課題を前進させるために可能な範囲で運動体との連携協力を進める必要があります。(ア)地公退を通じて加入した「フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)」、「戦争をさせない1000人委員会」、(イ)「伊達判決を生かす会」、(ウ)アジアの子供を支援する「NPOエファジャパン」、(エ)「辺野古基金」「沖縄意見広告運動」などの団体と連携協力して運動の輪を広げます。
 また、「高校生平和大使国連派遣のためのカンパ・署名(長崎・北海道などの実践)」のような、退職者が若い世代に平和活動を継承する活動などに可能なことから取り組みます。
⑥ 太平洋戦争の末期に沖縄を捨て石にして米軍の沖縄占領と敗戦後の「植民地支配」を許してきたことを忘れ、戦闘行為が始まれば真っ先に沖縄の基地・県民が攻撃される愚かさを繰り返そうとしているのが、安倍総理が急ぐ解釈改憲・集団的自衛権行使の閣議決定にほかなりません。
 安倍政権は、中央政治を頂点に地方まで徹底的に中央集権政治の枠内に閉じ込め、いつでも戦争ができる国へとひた走っています。一昨年の、超党派による「東京行動」と安倍総理への「建白書」提出が示すように、これ以上基地の新設は海にも陸にも認めない県民世論が根強いにもかかわらず、県選出の保守系国会議員、前県知事を手なずけて普天間基地の辺野古移設を強行しようとしてきたこともその表れです。
 沖縄の豊かな海洋環境を破壊してまで辺野古にアメリカ海兵隊基地を作る必然性が薄れているおり、オーストラリアへの海兵隊配備拡大、地政学や軍事的合理性を前面に据えて海兵隊の沖縄駐留は、沖縄県民の反米感情を高めるだけです。名護市民、沖縄県民の反対を押しきって、辺野古新基地建設を強行する日米政府を許さない取り組みを引き続き強化しましょう。