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4. 住み続けられるまちづくりのため、交通政策を推進します


(1) 交通政策基本法の趣旨を踏まえ、高齢者や障害者など交通弱者の生活に必要な移動手段確保のため、地域公共交通の充実を求めます。
(2) 地域の活性化や住み続けられるまちづくりのため、自治体の総合計画や都市計画に、住民ニーズを反映した交通政策との連携を求めます。私たちの提起を受け止めて退職者連合が展開する政府・自治体に対する要求運動について、自治退として積極的役割を果たします。
(3) 交通政策基本計画の実効性確保のための取り組みを進めます。とくに交通専任者の基礎自治体への配置や地域公共交通会議(法定協議会)などの設置を求めます。


<地域公共交通の現状と役割>

① 人口減少や職の多様化、自家用車の普及に伴い、地域公共交通の利用者は減少傾向にあります。この20年間で乗り合いバスにおいては35%減の42億人に、地域鉄道においては25%減の3.8億人にまで輸送人員は落ち込んでいます。このため民間・公営ともに交通事業者は厳しい経営を余儀なくされており民間バスの7割、地域鉄道事業者の8割が赤字経営という現状です。その結果不採算路線からの撤退や運行回数の減などにより地域住民の移動が制約される事態が進行しています。乗り合いバスにおいては、過去5年間(2007年~2011年)で全国のバス路線、約8,160キロが完全に廃止されました。このように交通空白地域が広がる一方で、暮らしにまつわる移動を公共交通によらざるを得ない高齢者は、著しい増加傾向にあります。
② 地域公共交通は、住民の通勤・通学・買い物・通院などの必要不可欠な移動を提供するもので、まさに地域の暮らしを支える公共サービスです。また、人が移動することにより、まちはにぎわいを取り戻します。他方、環境保護の観点からもその役割が見直されています。交通部門からのCO2排出量は全体の2割で、自家用車がその9割を占めていることからも、環境にやさしい公共交通優先の社会にシフトする政策が求められています。
③ 少子・高齢化の進展により、高齢者の自立、社会参加が重要な課題となっています。地域公共交通の衰退は、身体機能が低下した高齢者の移動を制約し、外出機会の喪失に帰結します。高齢者の自立を支援し、社会参加を促進するためには、地域公共交通の再生が必要です。また、外出機会の増加は、高齢者の健康増進につながるなど多様な観点からの取り組みが必要です。
④ 交通政策基本計画(2015年2月13日閣議決定)では国、自治体、利用者、地域住民などの関係者の責務や役割を明確にし、施策を推進するとしています。しかし、交通専任担当者が不在の自治体は8割に上っています。施策の推進に当たっては、公共交通を地域の活性化や住民の生活に欠かせない公共サービスとして位置づけ、住民ニーズを反映した施策が求められます。